渡 辺 武 彦 建 築 設 計 事 務 所 
Takehiko  Watanabe  Architect  & Associates                           
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    田方の家 「木造2階建」  

建築主は新婚の御夫妻で、設計者と長期間の打合せを重ねて出来上がりました。敷地条件は非常に厳しく、山側にある私道(巾2.15m)より1m下がって
おり、道路法による道路幅員は4mありません。又 下の敷地迄5mの高低差があるために、急傾斜危険区域、宅地造成規制区域でもあります。
 これらの厳しい敷地条件のもとで、法的、予算的に可能な建築方法を探すことから設計がスタートしました。建物の基礎は、ベタ基礎(建物全体が
厚い鉄筋コンクリート床板)で、鋼管杭29本が打ち込まれ、
杭と一体化されて建物の安定が築かれています。又 崖地の斜面は保護モルタル(厚70)と
その上部黒い部分が
植生基材吹付工法(角度30°)で、安全が確保されています。春先は緑の斜面となり近隣に対する配慮と環境づくりが計画され、
道行く人々にも楽しんでいただけることでし
う。方位は山の北斜面にあり、良くありません。山側(道路側)が東、崖側が西・北にあたり、
崖下の家並みが本住宅方向に向いて開口されていて、プライバシー確保に難がありました。解決方法として、東・南側からの日照を極力得るために、
天窓、及び天井近くに欄間を取る事により然との対話や敷地周辺からのプライバシー確保に努めました。この開口部からは、空が見え、夜になると
星が見えます。2階の欄間は日照だけでなく、山を借景として取入れることにより、四季の移ろい、毎日の天候が住まいながら感じられるように
設計されています。又 多目的室(居間)は吹抜け空間で、周辺からは閉鎖的になっていますが、天窓や欄間からの日差しが壁や床に時間と共に
移り変わり静と動が混在し、とても落ち着ける空間となっています。入居された御夫妻から、
この空間で寝転がって空を眺めるのが、「至福の時」
との嬉しい感想をいただきました。本設計の特徴は
2階が玄関となっていることでしょう。2階がプライベートな空間(個室+サニタリー)
1階がパブリックな空間として分けられています。建築主の御要望は家族がどこにいても気配が感じられる空間が欲しいとの事で、本設計通りの
1,2階が吹抜けによりつながった空間となりました。御夫妻とも音楽に造詣が深く、1階西側の音楽室は夜間でも近隣に迷惑がかからないように防音
された部屋となっていてギター、ピアノ、ドラムが入り、友人の方々との合奏が予定されています。当然多目的室でのミニコンサートも考えられています。
良い音楽が奏でられることと、いつまでも幸せを生み出してくれる住まいになることを設計者は心より願っています。       works一覧」に戻る



       
    建築前既存敷地草刈後全景     1階西側音楽室
    この音楽室が
一戸建に駆り立てた動機だとか?